大分県の磨崖仏            
  大分県は磨崖仏の宝庫です、特別史跡や重要文化財などに指定された磨崖仏の大半は大分県にあるようです。
  熊野や臼杵の磨崖仏は早くから学会の注目をあつめ諸氏から論考を発しており、小生も数年前にお会いし、彫りの美しさ・その規模の大きさを実感していた。
そして、今回充分な時間?を計上し再訪してみた。

  大分県の磨崖仏は、豊後高田市などの熊野磨崖仏を中心にした県北部地域、 臼杵市など臼杵磨崖仏を中心にした県南部地域、 そして、豊後大野市などの大野川流域に沿った地に数多く分布しています。

  その磨崖仏の作風は北と南で大きく?異なっているが、それぞれに見応えがあります。

  県北部は熊野や天念寺のように、露出した岩肌に薄肉彫りや半肉彫りした磨崖仏が多く、自然に溶込み岩と一体となった美しい姿を魅せています。

  県南部は臼杵や元町磨崖仏のように、石窟内や覆屋を架設した時の柱穴を残す岩肌などに丸彫りに近い厚肉彫りした磨崖仏が多く、当時の彩色?を残しており県北部とは違った美しい姿です。

  大野川流域には、上記石窟型?と野外露出型?が混在しています。
瑞光庵と丸一日かけて探した上坂田では、石窟に入り不気味な像の前に立ったときの、鳥肌の立つ身震いするような感動は今も忘れられない。
  そして、普光寺本堂前から谷を隔てた大岸壁に像高 11m余の巨大な不動明王が若葉の中から浮かびあがる姿は忘れられない一枚の絵になった。

  今回は大まかな所在地をカーナビにセットしての磨崖仏探しの一人旅でした。
此処に限らず、国や県が指定した文化財はかなり遠くから案内板がありますが、市町村指定の文化財は案内板もあまり無く見つけるのが非常に困難でした。

  一日かけて探したり、断念したり、現地滞在 6日間の一人旅が終わった。
大分県の磨崖仏として福岡県の一部も含め五つの地域に分け展示します。
豊後の国・豊前の国など昔の国別や、彫られた年代順に展示した方が楽しいのかも?。

     拡大図1: 臼杵市、大分市など県南部の磨崖仏

     拡大図2: 豊後大野市、竹田市など大野川流域の磨崖仏

     拡大図3: 宇佐市、玖珠町など県北中部の磨崖仏

     拡大図4: 豊後高田市、国東半島など県北部の磨崖仏

     拡大図5: 備前市、吉富町など福岡県東部の磨崖仏


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