和田磨崖仏              


福島県須賀川市大字和田字大仏
  JR水郡線「川東」駅の西 1km、国道 118号線に架かる「大仏大橋」の下にありますが高架のため、そこからは降りられません、駅近くの 「小作田橋」 を渡りすぐ左折し農道?を直進するとすぐ大橋です。 
  その大橋手前、右側崖面の石窟に剥落欠損した痛ましい姿の大仏坐像が鎮座しています。
すぐ左の石窟にも風化の進んだ六体の座像が浮き彫りされています。

須賀川市教育委員会の説明板をそのまま転記します。
  市指定史跡
  和田大仏及び横穴古墳群
  指定年月日 昭和四十年五月三十日
  所 在 地 須賀川市大字和田字大仏
  所 有 者 和田区

  この大仏は横穴古墳群が築造されていた崖面に彫り込まれた鎌倉時代の磨崖仏で、高さ三・六メートルの大日如来(一説には阿弥陀如来)座像です。
  伝説によると大仏は、大同三年(808)、弘法大師が諸国行脚のときに、この崖面に三鈷(杵の形をして両端にわん曲して分岐した三本の矛がついた金銅製の仏具) をもって彫ったと伝えられています。
  現在、大仏の乳部がえぐられていますが、昔、乳不足の婦女子が大仏の乳部を削って飲むと母乳の出がよくなるとの信仰からで、当時、人々の生活に密接なかかわりをもっていたことがうかがわれます。
  この付近一帯は、古墳時代、岩背の国の中心であったらしくたくさんの古墳が点在しており、大仏の彫られた崖面にも数十基の横穴古墳が構築されています。
  これらは、阿武隈川流域を中心に支配していた豪族の墓跡と考えられています。
                                     
                                 昭和六十三年五月十二日 建立
                                  須賀川市教育委員会


    福島県の磨崖仏へ戻る     目 次