岩谷観音磨崖仏            




福島県福島市岩谷
  JR東北線 「福島駅」 の北東約 2Km、国道 4号線を北上し 岩谷下交差点を左に曲がります。  そして 「岩谷観音入口」 の案内板の先、急な石段の下左側に 2台程の駐車スペースがあります。
  その 80余段の石段を登ると小さな広場と観音堂があり、眼前の岩肌に観音像などが所狭しと刻まれています。  風化の著しい像もありますが 90余体を数えるようです。

福島市教育委員会の説明板をそのまま転記します。
  福島市指定 史跡および名勝
  岩谷観音

  古くから「岩谷観音」の名で親しまれてきたこの地は民衆の素朴な霊場であります。
それは、平安末期から鎌倉期にかけて五十辺の「館」に居館をかまえてきた豪族、伊賀良目氏が持仏の聖観音を安置した 「窟観音」 に始まるものと思われますが、遠い都の貴族たちの三十三観音巡拝の風が地方の民衆にまで普及するにつれて、西国三十三観音の磨崖仏が彫られ、現在の 「岩谷観音」 が形成されました。  その時期は宝永六〜七年(1709〜10)前後と思われます。
  ともあれ、市内唯一の磨崖仏であり、かつ三十三観音のほか六十体にもおよぶ供養仏が群像をなしている偉観は他に類例が少なく、そのできばえも素直で美しく、民衆の信仰の敬虔なこころをよく伝えております。
  さくらの花どきや新緑の風かおる季節、はては松林に紅葉をめでながら眺望するもよく半肉彫りの仏像群を拝し歴史をしのびながら遊歩するにたる史跡および名勝地として指定しました。  私たちの先人が祈りをこめて彫りなした「岩谷観音」を長く保存し、美しい景観を保つために次のことを守ってください。
  記
  一、仏像やその周辺の岩肌に手をふれないこと。
  一、樹木の枝や葉を傷つけないこと。
                                      昭和三十九年九月十四日
                                        福島市教育委員会


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